2011年3月19日土曜日

東北地方太平洋沖地震の被災者からのメール

東北地方太平洋沖地震で被災された方にお悔やみとお見舞い申し上げます。


僕の両親は秋田県の出身で、かつ親戚やいとこが東北にたくさんいます。
昨日やっと全員の安否を確認できほっとしたところです。


阪神大震災を被災した経験があり、親戚やいとこがいる身としては今回の震災の報道を見て
じっとしていられない思いがフツフツと湧き上がってきます。


本日も先輩の主催する集まりで、この震災で自分たちでできることは何かを考える会合に
参加し、真剣にこの震災そして今後来るべき災害と向き合ってきました。


そして、宮城県に住む地元報道局に勤める友人から本日メールが届きました。
彼とは旅の途中のインドで知り合い日本に帰ってからはメールだけで連絡を取り合ってます。
彼はインドで出会う前は、宮城県仙台の若林区という、今回の震災で津波の被害を受け
報道で200体から300体の死体が海岸線で発見された地域に住んでいたのですが
インドから帰って宮城県北部で内陸の場所に引っ越しして難を逃れた強運の持ち主です。


彼には、僕が経験した阪神大震災と今回の震災はまったく異なるゆえに
現地の情報が欲しい旨。
テレビで伝わってくる情報は既にバイアスがかかっているため
現地の生の情報が欲しい旨を要望しました。


少しでも現地の状況を読み取ってもらい、アクションにつなげていただける人が
一人でもいたらと思い、このメールを公開しました。
どう捉えるかはそれぞれだと思います。




以下転記(一部割愛)---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
こんばんは。栗原さんは、阪神大震災を経験してるんでしたね。今回の東北関東大震災は、たしかに性質、規模の面で阪神大震災とは違います。でも、避難所における必要物資や人的援助など、経験者だからわかることもたくさんあるのではないかと思います。

宮城県には、阪神大震災を経験した神戸市職員などが入り、医療体制や援助物資の分配、ボランティアのコーディネートなどをアドバイスしているそうです。阪神大震災で得られた経験や教訓は、今回の被災地でも確実に活かされています。

私のアパートでは、ガスはおとといから、電気は昨夜から復旧しました。電気が通ったことにより、石油ファンヒーターが使えるようになりました。風呂にも一週間ぶりに入りましたよ。今朝は洗濯機も回しました。

昨夜9時過ぎに帰宅したとき、室温は2℃でした。こちらは水曜日から雪が降って真冬並みに気温が下がり、最低気温は零下を記録。暖房なしで一日を過ごすのは、冬山に登る防寒スタイルでもきつかったです。

今日は昼近くになって少し気温が上がり、いくらか寒さが緩みました。暖房が使えるようになったとはいえ、灯油が入手困難な状況は続いているので、いまある分を節約する必要があります。部屋にいる間も防寒着を着たままで、暖房の設定温度を下げたり、消したりして、燃料を節約してます。

今回の震災で、福島にある東京電力の原発が稼動しなくなった途端、東京が電力不足に陥りました。計画停電が実施され、震災は東京で暮らす人たちの生活にも大きな影響を及ぼしています。物資の供給は十分足りているのに、多くの人が不安心理から「買いだめ」に走ったため、コンビニやスーパーで品薄状態になってしまった。そうなると、ますます東北に物資が回らなくなります。

私は以前、今回事故を起こした原発に関連する取材をしたことがあります。地元の人の多くは、原発の安全性を信じて疑ってませんでした。東電に限らず、どの原発を取材しても、電力会社の広報担当者は、「何重にも張り巡らせた安全設計により、(絶対に)放射能漏れを起こさない構造になってます」と、異口同音に安全性を強調します。

しかし、こうなってみると、世の中に「絶対」ということはないと痛感させられます。

 宮城内陸北部では、いまはもう、ほとんど取材すべきものがありません。こちら大崎市でも、家屋の全壊は172棟を数え、死者も4人出ました(やはり調査が進むほどに、被害が拡大した)。でも、沿岸部の未曾有の被害に比べれば、内陸の被害は比較にならないほど小さいと言えます。もしも沿岸部であれほどの被害がなければ、取材陣は宮城内陸に殺到していたはずですが。相対的に報道の必要性が低いから、取材も少ないわけです。だから、いまは取材に飛び回っているわけではありません。

それと、取材車のガソリンが残り少ない上に、ガソリンの入手が非常に困難な状況なので、下手に動き回れないのです。取材先には行けても、ガス欠で戻って来れないのでは意味がありませんからね。今後、ガソリンの供給が安定するまでは、取材先の厳選が必要です。

わずかに営業しているスタンド周辺の道路には、「ガソリン難民」による渋滞が発生しています。3~4時間並んで、ようやく給油できる状態。それでも給油できればいい方で、せっかく長い時間並んでも、スタンドの在庫が底を尽いてしまい、給油できない場合もあります。

私も、自転車を利用したり、クルマを運転する場合はヒーターを切るなどして、ガソリンの節約を心がけています。ガソリンが一般車両にも安定的に供給されるようになるのは、来週末ごろになる見通しと、テレビで専門家が話してました。それまでガソリンもたないなー。もっと早く供給できないものか。

こちらの余震は、だいぶ落ち着いてきました。夜中に余震で目が覚める回数も減ってます。油断は大敵ですが、もう、部屋の中のものがひっくり返るような大きな揺れはないのではないかと思ってます。

電気が通じた店から、営業を再開し始めました。ラーメン屋、弁当屋、回転寿司屋。いずれも短時間の営業ですが、かなり助かってます。早く物流が回復して、コンビ二やスーパーに食料品が並ぶといいのですが。

それにしても、夜に電気がつけられて部屋が明るいのって、いいものですね。





転記終わり-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------



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